社保なしで働いている歯科衛生士「いま『社保なし』で働いているけれど、社保に加入する方法を知りたいな。国保のままで良いのか不安…。どうしたらよいのだろう…」
歯科衛生士として働いている人の中には、「社保に入りたいのに入ることができていない」人がいます。
この記事では、現在社保に入っていない歯科衛生士さんが「社保に加入するための条件と方法」を解説します。
✔︎ この記事を書いたひと
働きだした当初、社保や国保の意味がまったく分からずに、社会保険のない歯科医院で働いていました。
社保に加入するまでの数年間、割と損をしたなぁ…と感じています。
この記事を読むと、歯科衛生士さんが社保に加入する手順がすべてわかります。
■ もくじ
社保とは?
まずは「社保とは?」という話から、「社保に入ることのできる条件」をわかりやすく紹介します。
社保とは「社会保険」の略です。
加入者の疾病や高齢、介護や失業、労働災害などのリスクに備えるための制度です。
以下の4つを合わせたものです。
- 健康保険:病気や怪我の医療費の一部を負担してくれる
- 厚生年金保険:高齢やしょう害者になったときに給付金あり
- 労災保険:仕事中の怪我や病気に対して給付金あり
- 雇用保険:失業、育児、介護休業のときに給付金あり
※ 40歳以上は雇用保険が加わります
それぞれ特徴はありますが、この4つがセットになって労働者を守っている…という認識でOKです。
歯科医院の社保は『健保』か『歯科医師国保』
社保完備の歯科医院の場合は、健保(協会けんぽ)か歯科医師国保のどちらかに加入しています。
法人や規模の大きい歯科医院は健保、規模の小さい歯科医院は歯科医師国保の傾向があります。
歯科医師国保は一瞬、国保のようにみえますが社保です。
「社保なし」の歯科衛生士が社保に加入できる条件
歯科衛生士が社保に入るためには、歯科医院側が社保の加入条件を満たしている必要があります。
正社員とパートによって違いがありますが、条件を満たしていれば歯科医院にとって加入は義務です。(厚生労働省:社会保険適用拡大サイト)
正社員・常勤歯科衛生士が社保に加入できる条件
正社員・常勤の歯科衛生士が社保に加入できる条件は、次のとおりです。
- 法人に勤務している
- 5人以上の従業員がいる個人歯科医院に勤務している
このどちらかに所属していれば、社保に加入できます。
個人事業主で従業員が4人までの歯科医院は加入義務がありません。この場合は、院長との合意があれば加入できます。
パート・非常勤歯科衛生士が社保に加入できる条件
パート・非常勤の歯科衛生士が社保に加入できる条件は、次のとおりです。
以下のAパターンかBパターンのどちらかを「すべて満たす」ことで、パートでも社会保険に加入できます。
✔︎ Aパターン
- 法人に勤務している
- 5人以上の従業員がいる個人事業所に勤務している
✔︎ Bパターン
- 従業員が51人以上いる
- 週の労働時間が20時間以上
- 賃金の月額が8.8万円以上
- 2ヵ月を超える雇用期間が見込まれる
※ 2024年10月からは従業員51人以上…と、制度が大幅に変わったので、社保に加入やすくなりました。
とはいえ、歯科医院で51人以上の従業員を抱えるところはあまりありませんね…。
いつのまにか週20時間以上働いているケースは多いので、チェックしてみてください。
ちなみに、条件にあう職場を効率的に見つけるには、自分にあった転職サイトを利用するのも重要です。
転職サイトによって、掲載されている求人の種類や質が違います。
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歯科衛生士が社保に加入する方法
以上をふまえて、歯科衛生士が社保に加入する方法はつぎの通りです。
- 院長に交渉する
- 管轄の機関に相談する
- 社保完備の歯科医院に転職する
院長に交渉する
責任者である院長に交渉するのが、まず第一選択です。個人経営の場合は院長、法人の場合は理事長になります。
決定権のあるひとに話を通さなくては何も始まりません。
なぜなら、社保の加入は義務だからです。
小規模の歯科医院では法律を知らないために加入していないケースもあります。
とはいえ、 院長と対立するような構図になってしまう場合もあるので言い方には注意が必要です。
管轄の機関に相談する
管轄の機関に相談するというのも一つの手段です。相談すると、歯科医院に加入の手続きを働きかけてくれます。
厚生年金は年金事務所、健康保険は全国健康保険協会が窓口になっています。リンクを貼っておきます。
労働基準監督署に相談はありだけど…
労働基準監督署に相談する方法もあります。とはいえ、かなり大ごとになる方法なので、対立が顕著になってしまう可能性があります。
この病院でどうしても社保をもらって働き続けたい!というひとの奥の手です。
社保完備の歯科医院に転職する
「社保完備の歯科医院に転職する」のも有効です。
病院内の制度を変えるよりも、制度の整った歯科医院で働く方が圧倒的に労力が少ないからです。
歯科衛生士の有効求人倍率は20倍。これは一人の歯科衛生士に20件の歯科医院が求人を出している状況です。
つまり歯科衛生士は、必要とされています。自分にあった職場を探してみるのは、有効な選択肢の一つといえます。
»【転職4回の歯科衛生士が実践】転職先の探し方5つ!失敗しない歯科医院選びのコツとは?
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「社保なし」から脱出する際の注意点
「社保なし」から、「社保あり」へ移行するには、わりと労力がかかる可能性が高いです。
歯科医院にとっては負担が増加
条件に当てはまる歯科医院にとって、社会保険に加入することは義務です。
歯科医院としては、1人あたりの人件費が10から20%ほど増加します。
嫌がる歯科医院も存在する可能性があるので、わりとハードな交渉になる可能性があります。
犯人探しになる可能性
あってはならないことですが、犯人探しをされて、恨まれる可能性も捨てきれません。
院長次第なので、性格に合わせた対応が求められます。
人間関係が気まずくなって、結局辞めるパターンも。
目的は「社保に加入する」だけではなく、「社保に加入しつつ良好な人間関係で働く」ことなんです。
目的を忘れずに行動してみてください。
デメリットもあるがメリットは大きい
このようなデメリットもありますが、社保に加入するメリットは大きいです。
✔︎ メリット
- 将来もらえる年金額が増える
- 怪我や病気のときにお金が支給される
- 出産のときにお金がでる
- 失業時にお金がでる
労働者としての安心度が国保に比べて、手厚いです。
詳細は【国保との違い】歯科衛生士向けに『社保完備』のメリットを解説 を参考にしてください。
社保完備は安心・安全に働くためのバロメーター
今回は、歯科衛生士が社保に入る方法…を紹介しました。
条件を確認して、行動してみてください。
結論、歯科衛生士が社保に入るメリットは大きいです。シンプルに将来もらえるお金が増えます。
「社保完備」は歯科医院が従業員を大切にしているかどうかのバロメーターにもなります。
せっかく働くなら、安心・安全にそしてお得に働きたいですよね。
動いてみないと状況は何も変わらないので、是非なにかアクションしてみてください。
仕事しているうちから求人を定期的にチェックするのはオススメです。
とくに、いま『社保なし』で働いている歯科衛生士さんは、ぜひ求人をチェックしておきましょう。
周辺の雇用状況を知るだけで、今の自分の待遇を再認識できます。
希望にあった歯科医院をみつけるなら、まずは転職サイトに登録して、気になる求人をチェックしておきましょう。
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