- 歯科衛生士として企業で働くことに興味があるけど、仕事内容や必要なスキルがわからない
- 臨床経験を活かせるか不安で、会社勤めのキャリアパスが見えない
- 臨床以外の仕事のメリットやデメリットを知り、納得いく判断をしたい
歯科衛生士は歯科医院で活躍しているイメージが強いのではないでしょうか?
しかし最近は「もっと幅広いキャリアに挑戦したい」「働き方やスキルを見直したい」と、企業への転職を考える歯科衛生士も増えてきました。
とはいえ、いざ企業勤務を考えると、仕事内容や職場環境・給与など不安も多いですよね。
記事を読み終えると、企業での働き方を具体的にイメージでき、自分のキャリアをどう広げられるかを判断できるようになります。
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■ もくじ
企業で働く歯科衛生士とは?
企業で働く歯科衛生士とは、歯科医院ではなく、一般企業に就職している(つまり会社勤めしている)歯科衛生士のこと。
仕事内容は歯科業界に関わる仕事から、歯科とまったく関係のない仕事まで幅広く存在します。
企業で働く歯科衛生士のデータ
企業で働く歯科衛生士は少数派です。
厚生労働省のデータでは、90%以上の歯科衛生士が診療所で働いており、企業(事業所)で働く歯科衛生士はわずか0.2%程度(309人)にとどまります。
しかし企業勤務の需要は年々高まっており、実は思ったよりもハードルは高くありません。
つまり残りの16 万人は働いていない・もしくは歯科衛生士以外の仕事をしている状況です。
そのため、歯科関係以外の仕事(パート含め)をする歯科衛生士さんは相当いると予測できます。
歯科衛生士の就業先について
歯科衛生士の歯科医院以外への就職先は次のとおりです。
- 病院:5.1%
- 介護施設:0.9%
- 保健所:0.5%
- 公務員(都道府県・市町村):0.1%
- 歯科衛生士学校:1.2%
- 事業所(一般企業):0.2%
一般企業での就職する場合は、「歯科関係の企業・メーカー」「歯科とまったく関係ない企業」の2パターンがあります。
✔︎ 歯科関連企業の例
- GC
- 松風
- モリタ
- サンスター
✔︎ 歯科とまったく関係ない企業の例
- アパレル
- IT
- 飲食
- 事務
- 介護
一般企業と歯科医院との違い
一般企業と歯科医院との大きな違いは「患者さんに直接関わるか否か」です。
仕事内容
仕事内容は、働く企業によってことなります。
✔︎ 歯科に関わる企業の場合
- 歯科製品の開発
- マーケティング業務
- セミナーやデンタルショーでの活動
- 研修講師
歯科と関係のない企業は、その業界に順じた仕事内容になります。
一方で、歯科関係でいえばGCや松風、サンスター(GUM)やウェルテック(コンクール)の有名企業も募集を出しています。
実際の募集は、次のとおりです。(募集終了の場合あり)
(参考:リクルートエージェント 募集が終了している場合があります)
募集のタイミングはランダムなので、思い立った時に求人をチェックしてみてください。
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企業で働くために持っておくと有利なスキル
就職する企業によりますが、次のようなスキルがあると、有利です。
- 歯科衛生士としてのスキル
- ビジネスマナー
- パソコンスキル
- コミュニケーション能力
- ITリテラシー
多くの企業がビジネスマナーや基本的なPCスキルを採用基準にしています。
PCスキルはワード・エクセル・パワーポイントができると評価は高め。
スキルUPで転職成功の可能性が高まります。
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職場環境の違い
企業では基本的にオフィスワークが中心で、残業や出張が発生する場合もあります。
医療機器の展示や製品の営業が主要な業務だと、不規則な勤務形態が求められることもあります。
少人数で働くことの多い歯科医院に比べると、開放感のある空間で働けるケースが多いです。
また、臨床とは異なる職場環境への適応が求められます。
給料はピンキリ
企業によって給料に幅があり、平均年収は約350~500万円です。
業務内容や会社の規模に応じて異なり、成果に応じたインセンティブがある場合もあります。
とくにメーカー・営業・コンサルのような企業では高年収が多く、年収500万以上もらっている社員の割合は42%もあります。
事業を拡大している企業は多いので、求人もわりと定期的にでます。
(参考:リクルートエージェント 募集が終了している場合があります)
✔︎ コンサル
(参考:ビズリーチ 募集が終了している場合があります)
条件次第で思った以上の高収入も可能です。求人をチェックしてみてください。
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歯科衛生士が企業で働くメリット
歯科衛生士が企業で働く(会社勤めする)メリットを紹介します。
✔︎ 歯科衛生士が企業で働くメリット
- 安定した収入と働きやすい環境
- スキルUP・キャリアUPが可能
- 新しい分野でのやりがい
安定した収入と働きやすい環境
企業勤務は、土日祝休みで安定した給与や福利厚生が充実しているケースが多いです。
歯科医院のようなシフト制はほとんどありません。
勤務時間が固定されていることが多く、家庭やプライベートとの両立が図りやすい点もメリット。
有給・昇給・育休・退職金も整っています。
スキルUP・キャリアUPが可能
働く企業によって、製品の開発サポート・マーケティング・教育活動・営業支援といったスキルアップが可能です。
また企業では、キャリアアップも見込めます。
歯科医院ではキャリアアップは難しいです…。頑張っても、主任歯科衛生士といった所でしょうか…。
例えば、歯科製品メーカーで働く歯科衛生士は、臨床知識を活かしユーザー視点でアドバイスしています。
製品の質向上に寄与した結果、社内で昇進しました。
新しい分野でのやりがい
新しい分野への挑戦は、やりがいがあります。
周りの歯科衛生士と違うチャレンジをすることで、結果として、人生の経験値を上げることができます。
歯科衛生士が企業で働くデメリット
一方で、歯科衛生士が企業で働くデメリットもあります。
✔︎ 歯科衛生士が企業で働くデメリット
- 臨床から離れることの不安
- 歯科衛生士としての仕事以外の業務負担
- 変わっていると思われる
臨床から離れることの不安
臨床で直接患者さんに関わることがなくなります。
そのため歯科で働く歯科衛生士に比べると、臨床における経験やスキルの維持は難しくなります。
臨床から離れる点はデメリットとして考慮が必要です。
歯科衛生士としての仕事以外の業務負担
企業で働く歯科衛生士は、幅広い業務を求められるケースが多いです。
臨床とは違ったビジネススキルやコミュニケーション能力が必要です。
また、製品に関するプレゼンやイベント出席など顧客対応のために出張や電話対応が多くなることもあります。
歯科衛生士以外のスキルが必須となることに負担を感じる人も少なくありません。
周りから変わっていると思われる
記事前半で紹介ように、歯科衛生士の90%以上が歯科医院で働いています。
企業で働く歯科衛生士は珍しいのが現実です。そのため、「変わっている」と思われることも。
「他人は他人。自分は自分」と割り切ることは重要かもしれません。
歯科衛生士が企業で働くようになったきっかけの事例
歯科衛生士が企業で働くようになったきっかけを紹介します。
- 給料が低い
- 院内のせまい人間関係がイヤ
- 福利厚生や労働環境が悪い
- 歯科の製品が好き
給料が低い
企業転職を検討した動機の一つに収入面の不満が挙げられます。
✔︎ きっかけ
年収アップを考えて転職活動していたら、一般企業の募集をみかけて応募した。
近くにある洋服のしま◯らより歯科医院での時給が低くて、一般企業に転職した。
年収が低い(多くは300万円前後)・ボーナスなし・昇給がない..といった歯科医院は多いです。
院内のせまい人間関係がイヤ
歯科医院での人間関係のトラブルが転職のきっかけとなることもあります。
✔︎ きっかけ
- 歯科衛生士がお局さんと2人だけで、毎日きつかった
- パワハラ気味の院長でメンタルをやられた
歯科医院は少人数の職場であるため、トラブルが顕在化しやすい傾向があります。
人間関係の改善を求めて企業を目指す歯科衛生士も多いです。
福利厚生や労働環境が悪い
歯科医院で福利厚生が整っているところはまだまだ少ないです。
✔︎ きっかけ
- 歯科医院で働いていて、有給なんてとったことがない
- 将来を考えた時に、育休や退職金の制度が整っている職場がよかった
企業で働くことで、歯科医院では得られにくい安定した福利厚生や労働環境が提供されます。
企業は週休二日制や残業の少なさが特徴で、さらに健康保険や退職金制度が充実していることが多いです。
歯科の製品が好き
歯科医療製品や機器への関心が、企業への就職を考える要因になることがあります。
✔︎ きっかけ
- デンタルショーに参加したとき、〇〇〇〇(大手歯ブラシメーカー)で働く歯科衛生士の方の感じがよく、連絡をとるようになった
- 一度OLの仕事をしてもみたいと考え、歯科関係の企業を探していたところ、〇〇〇〇(歯科材料メーカー)の募集を見つけた
好きな製品や企業があると、働くモチベーションが湧きます。
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実際に企業で会社勤めしている歯科衛生士の声
企業で働く歯科衛生士さんに実際の感想を聞いてみました。
「企業で働きたい」と考えている歯科衛生士さんの参考にしてください。
Aさん(歯科材料メーカー)
私は歯科材料のメーカーに転職したことで、仕事とプライベートのバランスがとれるようになったと感じます。
デンタルショーでメーカーの社員の方に親切にして頂いたのがきっかけです。
思いきって募集したら、採用されることになりました。
土日休みと有給休暇が確保され、休日にプライベートな予定を立てやすくなり満足しています。
歯科医院で働いていたときは、休みがとりにくく、1日の業務も荷重労働企業と思えるほどキツいものでした。
商品の開発や営業という今まで経験したことのない新しい仕事にやりがいを感じています。
Bさん(歯ブラシメーカー)
大手ハブラシメーカーで働いています。歯科医院で働いていた頃に転職を考え、ふと求人誌をみたのがきっかけです。
製品開発から歯科医院への訪問まで仕事の幅は広く大変ですが、歯科業界への間接的な貢献にやりがいを感じます。
とくに製品開発を通じて、安全で使いやすい製品の普及に貢献できることは魅力です。
歯科医院へのプレゼンもあり、慣れるまでは大変でしたが、最近は楽しみになってきました。
臨床の経験を活かし、微力ながは歯科業界の発展に寄与できてるのは幸せです。
Cさん(美容系の広報)
美容関係の一般企業の広報の仕事に転職しました。高校時代の友人に誘われたのがきっかけです。
歯科衛生士としてのキャリアに不安を感じていたので、思い切ってチャレンジしました。
いま2年経ちましたが、転職してよかったです。とくにお客様に満足頂ける商品をうまくアピールできると自己成長を感じます。
今のところ、歯科衛生士に戻るつもりはありません。
臨床以外の仕事に向いている歯科衛生士の特徴
次の3のうち、ひとつでも当てはまるなら一般企業での勤務適正があると考えられます。
- コミュニケーション能力が高い
- 自己管理能力が高い
- 歯科衛生士の仕事があまり好きじゃない
- 新しいことへの挑戦意欲がある
コミュニケーション能力が高い
コミュニケーションの高さは、仕事を円滑に進める要素の一つ。
企業勤務では、社内外のスタッフやクライアントとのやりとりが重要です。
他部署との連携も多いため、円滑なコミュニケーションが仕事の質に大きく影響します。
歯科医院で患者対応やスタッフとの協力でコミュニケーション力を高めてきた方には一般企業での勤務が向いています。
自己管理能力が高い
自己管理の高い人は、歯科衛生士だかでなく一般企業での勤務に向いています。
企業での勤務は、自分のタスクを自己管理する力が必要になるからです。
営業・マーケティング・広報・販売…どんな職種でも自分でスケジュールを調整して業務を進めるのが重要です。
目標達成に向けて進捗を管理し、期限を守る姿勢が求められるため、歯科医院で日々の業務を効率よく管理してきた経験を活かすことができます。
歯科衛生士の仕事があまり好きじゃない
歯科衛生士の仕事が好きではない人も、一般企業での仕事にトライしてみる価値はあります。
向いている仕事に出会える確率を上がられます。
- 患者さんと関わるのが苦手
- 狭い人間関係いや
- 口の中を触る仕事に興味がなかった
歯科衛生士が好きではない理由は様々ですが、「好きじゃないから、他のことをやる」は人生において大切なことかもしれません。
新しいことへの挑戦意欲がある
一般企業への就職を考えるなら、「新しいことへの挑戦意欲」は大切です。
挑戦意欲がないと「今のままでいいや…」と、現状のままズルズル過ごしてしまいます。
実際、歯科衛生士の現場を離れて、他の仕事をするのは勇気がいります。
そのため「挑戦意欲=チャレンジ精神」がないと、不安に打ち勝てません。
挑戦意欲のある歯科衛生士は、自分のキャリアを広げやすいと考えられます。
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歯科衛生士が一般企業へ就職・転職する際のポイント|マインドセット
歯科衛生士が一般企業へ就職・転職する際のポイントを解説します。
- タイミングを見計らう
- 転職の軸を決める
- まずはチャレンンジしてみる
タイミングを見計らう
いつ就職・転職するのかのタイミングを決めましょう。とくに今働いている場合は、「いつ辞めるか」が重要です。
歯科医院の就業規則に、退職の規定が書いてあります。(就業規則がない場合は、一般的に1ヶ月前に伝えるとよいです)
職場によっては、穏便に辞めるために数ヶ月前に伝えたり、繁忙期や異動時期を避けるケースも。
辞めるタイミングは個人差がありますが、引き伸ばしすぎないように注意しましょう。
事前に、転職先で必要な資格(ケアマネや簿記など)をとっておくパターンもありました。
転職の軸を決める
自身が何を重視するかを明確にすることが、転職成功に不可欠です。
現在の不満を明確化すると、自分にとって何が大切なポイントかがわかります。
すべての希望は通らないケースも多いので、優先順位をつけておくのが大切です。
ちなみに歯科関係でいえば、GC・モリタは給料が高いと耳にします。サンスター・ライオンは福利厚生がよく、ネームバリューもあります。
✔︎ GCの年収・待遇
✔︎ サンスターの年収・待遇
(参考:リクルートエージェント 募集が終了している場合があります)
自己分析して、企業での働き方が合うかどうか見極めましょう。
まずはチャレンンジしてみる
「一般企業への転職に向いている歯科衛生士の特徴」でも紹介しましたが、「まずはチャレンジしてみる」ことは重要です。
何事もやってみなければわからないからです。
「やってみての後悔より、やらない後悔の方が強い」という言葉も。
挑戦した経験は必ず役に立ちます。現状に不満がある人・一般企業での勤務に興味がある人はぜひチャレンジしてみてください。
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すぐに転職を考えられない人は、まずは副業で始めるのもありです。
バイトする副業から、ブログやWebライターのような在宅でできる副業もあります。
興味のあることから始めてみてください。
企業で働くには?歯科衛生士が企業の良質な求人を見つける方法
つぎの3つの方法が有効です。
- 歯科衛生士専門の転職サイト・転職エージェントを利用する
- 一般的な転職サイトや人材紹介会社を活用する
- 企業に直接問い合わせてみる
歯科衛生士専門の転職サイト・転職エージェントを利用する
歯科衛生士向けの転職サイトは主に歯科医院の求人ですが、歯科関連企業の求人が掲載されることがあります。
一般企業への転職でも、歯科衛生士の資格を活かして働きたい場合にはおすすめです。
登録しておくことで、最新の情報をキャッチできます。
歯科関連企業を考えている人は、利用必須です。
✔︎ 企業求人が掲載される歯科衛生士転職サイト
転職サイトに登録すると、転職エージェントが無料で利用できます。
求人の紹介から給与交渉・労働条件の交渉、面接対策まですべて無料でサポートしてくれます。
おすすめの転職エージェントは、以下の記事で紹介しています。興味のある方はぜひ参考にしてください。
»【相性で選ぶべき】歯科衛生士向け転職エージェントおすすめ5選!デメリットと評判も紹介
一般的な転職サイトや人材紹介会社を活用する
転職サイトや人材紹介会社を利用して、多業種の求人も視野に入れると選択肢が広がります。
歯科業界以外にも活躍の場を見つけることができます。
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広い視野で転職先を検討し、専門職の枠を超えた可能性を探しましょう。
企業に直接問い合わせてみる
働きたい企業がある場合は、直接問い合わせてみるのもおすすめです。
- 企業サイトから問い合わせる
- 電話する
なにより、直接やる気を伝えることができます。
直接問い合わせる人は少ないので、募集枠があれば採用される可能性もグッとあがります。
表にでていない隠れた求人情報を得られる場合も。
働きたい企業がきまっているなら、直接連絡してみましょう。
まとめ
歯科衛生士として働く中で、一般企業へ転職することは非常に有効な選択肢の1つです。
歯科衛生士にとって一般企業で働くことは希少なキャリアパスですが、転職する価値のあるポジションが存在します。
結局どうしようか迷ったら、実際に求人を確認してみてはいかがでしょうか?
何か変えるためには、一歩踏み出してみるのが大切です!!
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