歯科衛生士「訪問歯科が気になるけど、どんな仕事をするのだろう。歯科衛生士の仕事内容をしりたいな。」
訪問歯科に興味を持った歯科衛生士さんが、
- 訪問歯科の仕事内容を知りたい
- 一般歯科との違いを教えてほしい
…と考えているケースを目にすることが増えてきました。そんなとき、訪問歯科についての具体的な前情報があると安心しますよね。
✔︎ 本記事の内容
✔︎ この記事を書いたひと
高齢者・認知症の治療を専門にするクリニックの衛生士として、訪問歯科診療に携わっています。
実際の「現場経験」をもとに解説しますので、訪問歯科に興味のある歯科衛生士さんはぜひご覧ください。
■ もくじ
訪問歯科についての基礎知識
まずは訪問歯科の概要を説明します。
訪問歯科とは？
歯医者や歯科衛生士が、自宅や介護施設に直接訪問して治療します。高齢化社会を迎えるにあたり、国が促進している制度のひとつです。
- 歯の在宅医療
- 出張歯医者
- 走る歯医者
上記のようなイメージです。
訪問歯科の需要
高齢化社会の影響で、訪問歯科の需要は伸びています。
訪問歯科では75歳以上の受診割合が80％以上。
高齢者は75歳を超えると、歯科の受診は急速に低下する…データがあります。（引用：歯科保健医療施策の動向について）
訪問歯科を受診する理由は、健康上の問題です。
訪問歯科衛生士になる方法
- 歯科衛生士免許を持っている
- 訪問歯科に携わっている
上記の2つがそろえば、訪問歯科衛生士になることができます。
» 訪問歯科衛生士になるには？【転職前に知っておくべき訪問歯科の概要】
訪問歯科の歯科衛生士の役割
通院できない患者さんの、「口の中の環境を維持・増進する」…という、重要な役割を持っています。
- 口の中の汚れを除去
- ブラッシング指導
- リハビリの指導
- 適切な口腔ケア用品を推奨
やりがいのある仕事です。
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訪問歯科で働く歯科衛生士の仕事内容
仕事内容は次の6つです。
割と範囲が広いです。慣れるまでは、大変だと感じる歯科衛生士さんも多い印象です。
診療の補助
先生の診療補助を行います。これは普通の外来診療と同じですね。
いまは次のような器材を持っている歯科医院も増えてきました。
- ポータブルユニット（持ち運び用のタービン）
- ポータブルレントゲン
外来診療と同じような診察ができるようになっています。
口腔ケア
通院できない患者さんに「口腔ケア」を行います。口腔ケアとは簡単に言うと「口の中のお手入れ」です。
口腔ケアをすることで、次のような効果が期待できます。
- 虫歯、歯周病の予防
- 口腔機能低下の予防
- 唾液分泌の促進
- 口臭の予防
- 肺炎の予防
※ 口腔ケアは大きく「口腔清掃」「機能訓練」に分けられます。
口腔清掃は「器質的口腔ケア」と呼ばれ、実際に道具を使って口の中の汚れを落とすこと。
機能訓練は「機能的口腔ケア」とも呼ばれ、舌や口の筋肉の運動、飲み込み（嚥下）や発音の訓練をおこなうことを指します。
口腔ケアについて基本を知りたい方は、以下の本がオススメです。口腔ケアの知識や手技を体系的に学べます。
書類作成
訪問歯科を行った歯科衛生士は書類の作成を行います。
書類は主に、
- 患者さん（家族の場合もある）
- ケアマネージャーさん
…に向けたものになります。
診療の内容を記載したり、状況を伝えるために、基本的には月に一度文書で提出します。
診療器材や道具の運搬
訪問歯科では診療器材や道具の運搬を行います。外来診療と違うところですね。
ポータブルユニットや、ポータブルレントゲンは割と重いので大変です。
歯科医院によっては、コーディネーターさんが同行してくれることがあり、この場合は運搬をする必要はありません。
道具の滅菌は医院に戻ってからおこなう場合が多いです。
関係各所との連絡
関係各所と連絡を密に取り合う必要があります。
通院が難しいだけでなく、意思の疎通が困難..な患者さんも多いので、
- 患者さんの家族
- ケアマネージャー
- 看護師
- 介護士
- 言語聴覚士
いろいろな職業の方々と情報共有して、信頼関係を築くことは大切な仕事の一つです。
※ 急患依頼がくることも
「痛い」「腫れた」…のような急性症状で急患依頼が入ることがあります。
この場合の対応も歯科衛生士が行うことがあります。
車の運転
歯科医院によっては、車の運転を求められることがあります。
とはいっても、
- 歯科医師が運転する
- 運転手さん（コーディネーターさん）がいる
…といった歯科医院もかなり多いので、運転は必須ではありません。
【Q&A】訪問歯科の仕事｜よくある質問
訪問歯科に関するよくある疑問にお答えします。
外来・一般歯科との違いは？
違いは以下の通りです。
| 訪問歯科 | 外来・一般歯科 | |
| 診療場所 | 在宅・施設 | 歯科医院内 |
| 年齢層 | 主に高齢者 | 幼児から高齢者 |
| 主な仕事 | 口腔ケア | 診療補助 |
| 患者さんの健康状態 | 持病あり | 比較的良好 |
| 患者さんとの意思疎通 | 難しい場合あり | 可能 |
| 診療費用 | やや高め | 通常 |
| 他業種との接点 | 多い | 少ない |
| 事務作業 | 多い | 少ない |
給料はどのくらい？
訪問歯科の歯科衛生士の給料は以下の通り。
- 年収 386万円
- 月収 32万円（ボーナスなしの場合）
- 時給1,400〜1,500円
訪問歯科衛生士の給料は、地域・年齢・経験年数によって差はあります。
一般歯科との違いはほぼありません。
» 訪問歯科で働く歯科衛生士の年収を解説【高い給料をもらうコツも解説】
施設にいくの？在宅にいくの？
訪問歯科の訪問先は、主に「施設」「在宅」の2つです。
どちらに行くかは、働く歯科医院によって違います。
施設はさらに、
- 特別養護老人ホーム
- グループホーム
- 有料老人ホーム
…にわかれます。
1日の訪問スケジュールは、以下の記事を参考にしてください。
» 訪問歯科衛生士になるには？【転職前に知っておくべき訪問歯科の概要】
運転しなきゃいけないの？
車の運転は、働く歯科医院によります。
車の運転が必要かどうかを事前にチェックしましょう。
1日にどのくらいの人数を診察する？
診療人数も歯科医院によります。
さらに在宅（患者さんの家）なのか施設（老人ホーム、介護施設）なのか、回る場所に影響されます。
目安として、先生・歯科衛生士それぞれ1人ずつのチームで、
- 在宅の場合は1日で15件回ったら、かなり多い
- 施設の場合は1日で20人を診察したら多い
…のようなイメージです。
※ 回るルートや治療内容によっても異なります。
1日中、訪問するの？
1日の中で訪問歯科にどれくらい診療時間を使うか…も歯科医院によって特徴があります。
- すべての診療時間を訪問歯科
- 1日のうち数時間を訪問歯科
- 一週間のうち数日を歯科
- 依頼があった時のみ対応
…と、歯科医院によって様々です。
特殊なスキルが必要？
「特殊なスキル」は必要ありません。
訪問歯科業界は、ブランク明けで復帰している歯科衛生士さんも多いです。
訪問診療に携わっていくうちに、
- 義歯
- 口腔ケア
- 摂食・嚥下
…この辺りの分野はかなり詳しくなっていきます。
口腔ケアについて基本を知りたい方は、以下の本で勉強するのがオススメです ▼
訪問診療を行うための基本的な知識や技術を知ることができます。
高齢者歯科の第一人者である菊谷先生が監修していることもポイント。
「実際に何を、どのようにやったらよいの？」という不安を払拭できる一冊です。ぜひお手元にどうぞ。
若い人がいないのでは？
訪問歯科に携わる歯科衛生士さんは、以前は一定期間の経験を積んだひとが多く働いていました。
20代から70代まで活躍しています。
自分にあった訪問歯科で働くには？
ポイントは上記の通りです。
希望条件をしっかり決める
希望条件をしっかり決めておくことは大切です。
なんとなくで歯科医院を決めてしまうと、本当はこんなはずじゃなかった…と思ってしまう可能性が高まります。
- 給料は手取りで25万円以上、ボーナス別
- 18時退社が希望
- 通勤は20分以内
- 勉強会が開催されている
まずはどのような歯科医院で働きたいかをしっかりイメージしましょう。
訪問歯科は人間関係が大事
訪問歯科は、先生・歯科衛生士・コーディネーター…のような2〜4人の少人数のチームで動きます。
車内の狭い空間で一日中一緒のことも多く、 人間関係が悪いと空気は最悪。
転職エージェントに依頼して、どんな雰囲気の歯科医院なのかをリサーチしておくことは大切です。
適切な転職サイトをつかう
働きやすい訪問歯科をみつけるためには、適切な転職サイトを利用してください。
いまは、以下のような特徴をもつ転職サイトがあります。
- 細かい条件で検索できる
- 仕事内容も具体的に教えてくれる
- 内部の人間関係を事前に教えてくれる
希望にあった歯科医院をみつけるなら、まずは転職サイトに登録して、気になる求人をチェックしておきましょう。
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私も、デンタルワーカーが「院長の性格」を教えてくれたおかげで、働きやすい訪問歯科で仕事しています。
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デンタルワーカーの口コミ・評判を詳しく知りたい方は、こちらの記事を参考にしてください。
» 口コミ・評判｜デンタルワーカーを徹底レビュー【歯科衛生士が転職成功する近道】
訪問歯科での歯科衛生士の仕事内容を解説しました
今回は、訪問歯科での歯科衛生士の仕事内容について解決しました。
仕事内容について知ることも大切ですが、「実際に行動してみる」ことはもっと大切です。
以下の記事では、「訪問歯科衛生士の仕事・年収・キャリアパス」を解説しています。
実際に訪問歯科で働いている歯科衛生士が解説しているので、併せて読んでみてください。
まずは本で勉強するのもおすすめです。
記事の途中で紹介したように以下の本は、「口腔ケアの基本から応用」までを余すところなく解説しています。
「訪問診療に必要な知識や技術を知りたい」という方はこちらも是非ご検討ください。
今回は以上です！
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